Kumi Umuyashiki
Steve Ross という人
更新日:2022年8月19日
ナマステ♡
Steve Rossの「ダーマトークと瞑想」のクラスが始まります。
クラスを開催するにあたり、Steve Rossについて、ここに少し紹介をさせて頂こうと思いました。
Steveがヨガに出会ったのは十代というとても若い年齢だったそうですが、彼はその頃はヨガよりも音楽に夢中で、いずれギターリストになっていきます。
世界的に有名なミュージシャンであるFleetwood Mac やThe Beach Boysと演奏をし、世界各国をツアーする生活がはじまりました。
そんな中、彼はオーストラリアで人生が変わるような出会いをします。そこで出会ったインド人のヨギに惹かれたSteveは、そのヨギのそばに留まるようになりました。
その後インドに渡り、インドでヴェーダ哲学を学び僧侶となります。ロックンロールバンドと演奏するクレイジーな日常から瞑想修行をする静かな日々へ・・・。
しかし数年後グル(先生)にアメリカに帰るように言われ、アメリカに帰国。ロサンゼルスに戻ります。
アメリカに帰国後ハリウッドにMaha Yogaというヨガスタジオをオープンするのですが、これは彼と一緒にスタジオを運営していた人のアイデアでした。
静かに修行していたインドの僧侶から、華々しいハリウッドでヨガスタジオ運営をするヨガティーチャーになるというこの極端なトランジション経て、Steve RossはMaha Yogaスタジオで、ハリウッドスターを含める多くの生徒にヨガを指導していました。
その頃の彼のクラスは、大音量でヒップホップやロックミュージックをかけてヨガをするというようなもので、その意図は、そうすることでヨガに興味がなくても音楽がきっかけとなりヨガの世界に触れ合えるかもしれないということや、ざわつく思考から意識を体に向けて、とにかく楽しく動こう、ということだったと言っています。
ヨガは、祝福や喜びを与えてくれるもの。
それなのに、西洋の多くのヨガスタジオでは、「足の小指をどこに置くか」について眉間に皺を寄せながら、難しい顔で議論している。
Steveはヨガがもたらしてくれる祝福を大切にしていて、心軽やかになるようなガイドを、冗談を加えながら行ってくれていました。
2000年より2010年まで、アメリカのテレビ番組 "Inhale with Steve Ross" で朝6時からヨガのクラスを放映(現在多くの動画をYouTubeで見ることができます)。
Steve Rossはアメリカの著名なアナウンサーであるOprah Gail Winfrey(オペラ・ウィンフェリ)と友達であり、Echart Tolle(エックハルト・トール)をオペラに紹介し、それがエックハルトがスピリチャル・ティーチャーとして世界的に有名になるきっかけとなりました。
エックハルト・トールとSteveは今でも友人であり、彼のダーマトークにはエックハルトの話がよく出てきます。
2008年11月、インドのムンバイで同時多発テロがありました。この事件は「ホテルムンバイ」という映画になっていますが、Steve Rossと彼の瞑想仲間が、この時このホテルに宿泊していました。
彼はホテルの部屋に2日間閉じ込められたまま、銃声の音を聞き、煙が入ってくる部屋の中で、自分も殺されるかもしれないという経験をしています。
この時彼が行ったことは瞑想であり、その体験の中で窓から差し込む太陽の光の美しさに感動し、人生の素晴らしさを実感しています ー この話も時々ダーマトークに出てきます。
このテロによって彼の仲間が2名(そのうちのひとりは十代の子どもだった)が亡くなりました。人の旅立ちを見送る時に、見送る側がどのような感情をホールドするかが、旅立つ人に影響を与えると言われており、特に「怒り」の感情は持ってはいけないと教えてくれています。
Steve Rossは数年前に、ハリウッドのMaha Yogaスタジオをクローズし、今はダーマトークを行ったり、瞑想指導をしています。40年以上の経験のある修行者です。
ダーマトークとは、人生をより良く、より楽に生きられるために語られる言葉です。
でもこれは頭で理解する認知レベルのことになるため、Steveは「瞑想を生きる」ことを勧めています。
毎日少しの時間でも良いので、静かに座る時間を持ち、思考や感情や信念や歴史が、本来の自分ではないということに気づく練習を行うのです。
Steve Rossは彼の存在がそこに現れるだけで、祝福やハッピネスの波動をもたらしてくれるエネルギーの持ち主ですが、彼のダーマトークも瞑想も、難しい哲学やテクニックを、頑張って論理的に頭で理解するようなクラスではなく、とにかく「そのままの自分で良い」ということ、「そのままの中にリラックスすること」を教えてくれます。
一般的によくあるヨガ哲学のクラスなどで、ヨガスートラの教えに沿った練習について学ぶと、感覚を制御したり、欲望に囚われないようにしたり、というような厳しく小難しい表現が出てくるため、「そんな修行をして人生が逆に味気ないものになってしまわないだろうか・・・」という疑念が沸くことがあります。
でも本来、瞑想は祝福とハッピネスをもたらしてくれるもの。
それはどういうことなのかというと、瞑想の中で、自分が「自分の思い込んでいた自分ではなかった」ということに、少しずつ気が付く瞬間が増えれば増えるほど、人生が未知であること、不確実であることに好奇心が沸き、流れに乗るように生きていくことができるようになるからです。
その流れの中で、流れてくるものもあれば、留まるものもあり、立ち去るものもある。
それらをコントロールしようとすれば苦悩が生まれる。私たちはただ好奇心を持って、その流れに委ねていくと、人生が魔法のようなものであり、さまざまな可能性を秘めていたことに気がつくのです。
Steve Rossが哲学を教えないのは、往々にして知識が幸せの妨げになることがあるからであり、クラスの中では小難しい哲学やサンスクリット語はあまり出てきません。
もちろん彼はそういった教えを軽視しているわけではありません。ただ教えというのは相手によってどう伝えるかを変化させる必要があります。小難しくなってしまいがちな人の心を解きほぐしていくことなしに、自然な変化は起こりません。
近年Steveは、アメリア、メキシコ、オーストラリアなどで指導をしてきましたが、コロナの時代となり、今はアメリカに留まっています。
いつか日本で対面でのクラスをしたいというのが私たちの希望ですが、まだしばらくオンラインが続きそうですので、オンラインで皆さんと一緒に時間を過ごせることを、Steveと共に楽しみにしています。
日本人を対象とするこのオンラインのクラスでは、クラスの中で質問も受け付けています。
クラスの詳細はこちら☞ Meditation with Steve
主催・通訳
産屋敷 公美
